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ブルーの衝撃

あんたの片目が不意に俺の存在を避け
遠方の予兆に輝きながら
高貴な品格に至ったとき
そしてその真実の口が
あらゆる嘘の前に立ちはだかり
終わることのない事情となったとき
またその頬骨が
偶然目についただけの怠惰を批評するのに
謙虚さを失いはじめたとき

ブルースが俺の夜に
紛れこんできたのさ

あるいは古い観念が俺の中に生き続け
俺にとっては当然のことが
あんたの苦痛でしかなかったとき
あんたの拒否の姿勢が
説明の言葉を持たずに
ただ軽蔑の眼差しとして現れたとき
いや実はそれが軽蔑ですらなく
あんたにとっては絶対に
思い出すことのない瞬間だと知ったとき

ブルースに抱きすくめられて
動けなくなったのさ

のどかな声で俺の名が呼ばれ
土砂降りの中を歩き出そうとする俺に
傘が差し出されたとき
敢えて俺がその善意を拒み
振り向くことを自分に禁じてまで
あんたへの衝撃になろうとしたとき
こうして自ら選んだ道を行き
あんたの窓を遠く離れて
その明かりが消えるのを想ったとき

ブルースが俺の朝を
奪いにやってきたのさ